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ママだからできる言葉がけ!子どもの批判的・論理的思考を育てよう

まず、「批判的思考」とは、聞いたことや見たことをうのみにしないで、自分でいろいろな角度から考え直すことです。

特に最近はネットニュースやSNSの投稿を見て、すぐに信じてしまう人が少なくありません。こんな時代だからこそ、自分の力で情報を整理し、根拠を見つけ出し、比較し、正しい判断ができる子を育てなければ、と母親としても危機感を抱きます。

 

次に、「論理的思考」とは、根拠を見つけ、意見を整理して、考えることです。

特に英語圏の文化として、「結論」→「根拠」と話を展開していくことが多く、もちろん日本人同士で日本語で会話をするときにも、大いに役立つ力です。

 

最近は小学校の参観に行っても「順序だてて話す」や「自分の意見を言う」という活動が多く見られます。

学校でも様々な取り組みがあるとは思いますが、小学校に上がる以前から、私はこの二つの思考は家庭で鍛えられると思っています。

 

一番簡単なのは「なぜ?」と「本当にそうかな?」とたくさん問いかけてやることです。

 

まず、「なぜ?」は論理的思考を鍛える第一歩です。

「今日はバナナとリンゴがあるよ、どっちが食べたい?」

「バナナ」

「なんで?」

「・・・」

 

「好きだから」でも、「昨日はりんごを食べたから」、でも、理由は何でもよいのですが、大したことない会話でも、理由を聞くメリットがあります。

それは、自分の意見の根拠を意識するくせがつく、ということです。論理的思考はまずここからスタートです。

子どもは自分の意思決定プロセスをあまり自覚していません。きっと何か理由があって意思決定しているはずなのですが、その理由に自分からスポットを当てることが少ないのです。また、一方で親は、勝手に推測して、ことを終わらせがちです。「この子はリンゴは嫌いだからバナナを選んだんだ」「皮をむくのが面倒だからだろう」など。

 

これでは論理的思考は育ちませんし、理由を相手に伝えるチャンスがどんどん減ってしまいます。(そしてある日、「なんで?」と聞くと「なんとなく」と返事をする我が子に、母は怒るのです。(笑)それは理由を考えさせたり、理由を言葉で伝えさせる機会を与えなかった自分へのツケが回ってきたと思うしかありません。)

 

というわけで、私はしょっちゅう「なんで?」と我が子に聞くことにしています。最近では、小2の長男は、「〇〇しようと思う。〇〇だから。」「〇〇したい理由は2つある。」などと自分から根拠を挙げて説得?にかかってくるようになり、なかなか手ごわいです。(が、母は嬉しい。(笑))

めんどくさい母だと思われていると思いますが、(笑)ここまで成長したことを思うと、価値あるトレーニングだったと信じています。

もう一つの「本当にそうかな?」は批判的思考を鍛えるトレーニングです。

 

以前長男がお店のトイレで、「このトイレのドア、外開きにしたほうがいいと思う」と言ったことがありました。

そのトイレは内側に開くドアでした。たしかに手洗いシンクが扉の近くに設置されているので、内開きだと非常に使いづらいことがわかりました。彼の観察力を批判的思考(本当に内開きでよいのか)に感心したことを覚えています。

 

物事には、いろんな選択肢が存在します。

「〇〇さんがこういったから」

「世の中ではこれが常識」

「教科書にこう書いてあるから」

といった理由でも、必ず他の選択肢や反対の意見を考えてみることで、自分の思考は深まっていき、より良い決断ができることがあります。

 

当たり前に存在するものや、信頼できると思っているものでも「本当にそうかな?」「こうだったらどうなんだろう?」という質問を投げかけることです。

 

その日は息子と、この会話をきっかけに、「もしこのドアを外開きにしたらどんなメリットが生まれるか」「デメリットはないのか」「引き戸という選択肢はないのか」などと話しました。(もう一度言います。めんどくさい母だという自覚はあります。(笑))トイレのドアをきっかけに、いろんな視点から考えるトレーニングになったのではないかと思います。

 

私たち母親が家庭出来ることは限られているように感じることもありますが、「論理的思考」も「批判的思考」も親の心がけ、言葉がけ次第で、十分鍛えられるものだと思います。

 

思考力は言語力です。またその逆もしかり。多くの語彙を持ち得ているほうが、思考も深まります。

日本語でも、英語でも、「論理的・批判的思考」のもと、コミュニケーションがとれる子になっていってもらいたいものです。